ITパスポートはゴミ資格? 役立つ人もいます
ニトリHDやさくらインターネットといった大手企業で、エンジニアだけでなく全社員にITパスポートを取得させる動きが出てきました。
ニトリホールディングス(HD)は2025年までに約1万8000人の従業員のうち80%にあたる約1万4000人に対し、国家資格「ITパスポート」取得させることを目指すという。
https://www.zaikei.co.jp/amp/article/20230714/729774.html
さくらインターネットの田中邦裕社長が、情報処理推進機構の国家資格「ITパスポート」を取得した。全社員にITパスポートを取得させる案を役員間で話し合っていたところ「経営陣全員取るべきだってなって、そもそも社長がって飛び火してきたので、頑張って取ってきた」
https://www.itmedia.co.jp/news/spv/2301/24/news130.html
その一方、エンジニアからはITパスポートはゴミ資格で取っても意味はないといった意見も聞こえてきます。
結論から言うと、ITパスポートは仕事で役に立つ人とゴミにしかならない人に二極化します。
ITパスポートの概要と世間的(IT的)な位置付けを把握して、取得するかどうかを検討してみましょう。
ITパスポートとは
図を見て分かるように、ITパスポートはエンジニア(情報処理技術者)でなく、全ての社員を対象とした国家試験です。
専門知識が問われるのでなく、情報技術に関する基本的な知識を持つことを証明する試験です。
ITパスポートでは情報技術の基本的な概念や用語を理解することを要求されます。
ITのことは専門外だからと人任せにしていた人が、少しは話をできるようになるイメージです。
ITパスポートがゴミになる人(エンジニアには不要)
エンジニアの人はこの図の真ん中の専門知識の部分が必要になってきます。
ITパスポートとは違い、合格には専門的な知識が要求されます。
エンジニアの人が評価されるのは、こうした専門的な知識のためITパスポートは必要ありません。(実際ITパスポートでなく、基本情報技術者試験から受ける人が大半です)
こうした理由から、広く浅く学ぶITパスポートはゴミ試験に見えてしまうのだと思います。
ITパスポートが役立つ人
反対にITパスポートが役立つのは、エンジニア以外の人すべてです。
今どき、パソコンやスマホを使わないで仕事をすることはできないので誰もが役に立つはずです。
ITパスポートを取れば、今まで見えてこなかったシステムの裏側が少し分かるようになってきます。
また、ITパスポートが昇格(昇給)や就職の条件となることもあります。
- 資格取得で資格手当がもらえる
- 昇進の条件にITパスポートがある
- ITパスポートの所有が就職の条件になる
全社員が対象となる資格取得奨励制度の一つにITパスポートを認定。合格者には一時金を支給するなど、合格を支援。(NTTドコモ)
http://www.k-srv.com/images/it_passport_pamphleta.pdf
※ITパスポートは入社前に取得必須
大塚紹介 新卒採用情報より引用
資格取得のメリットが大きければ、ITパスポートは早めに取っておくのがおすすめです。
まとめ
- ITパスポートは全ての社員を対象とした国家試験
- エンジニアにはITパスポートは不要
- 資格取得のメリットが大きければ取得推奨
社内や就職したい企業の制度を調べて、ITパスポートが有利になるか判断するのがおすすめです。